先生、うちの子漫画家目指すとか言ってんですけど!!?

子どものための漫画教室講師 あかいで みく が、漫画家を目指す小中学生とそのパパママを全力で応援します!!!!

漫画を描くための最初のステージは「紙と鉛筆」。絵の上達におすすめの紙はこれだ!!

はい、皆様こんにちは。お元気ですか。

自称子どものための漫画教室講師、 あかいで みく です。

連日雨のこの時季、紙モノを扱うお仕事のひとは大変だなあと思ってしまいます。

郵便屋さんとかね。ずぶ濡れでもいつも笑顔ですよ。お疲れ様です。

ちなみに言うとうちの郵便ポストは蓋がぶっ壊れていて、郵便物は全て雨ざらしです。

しっとりと濡れているAmazonの段ボールに風情を………感じないか、別に。

 

紙と言えば、先日100円ショップの ダイソー に行ってきたんですけども、やはり断然楽しいのは文具コーナーです。

最近ではほんとに内容が充実してきていて、漫画に使える道具もたくさんありますよ。

私も投稿していた頃からほんとお世話になっていて、雲形定規や丸テンプレート、アルミ定規やネーム用の方眼レポート用紙など、かなりのものを ダイソー で買っていました。

ていうか今でも買ってますよ。

今はイラスト用のマーカーが人気のようで、品切れ続出だそうです。すごいなー。

使ってないから品質はどうなの?色は綺麗なの??とか、気になることはありますが、コピックとか300円ぐらいはするんだから、まともに使えるなら108円(税込)てめちゃめちゃ安くない!!?

母の秘蔵のコピックを狙っている娘(5歳)の防波堤になってくれるか、 ダイソー よ。

 

まあイラストマーカーみたいなものはともかく、漫画っちゅーのは比較的初期投資が少なく始められる趣味だと思います。

究極、紙と鉛筆と消しゴム、それに定規ぐらいあったら始められますからね。

サッカーやピアノ、英会話を習い始めることを思えば。

もちろん描くのが好きなひとはたいていの場合が読むのも大好きだもんですから、描くぶんと読むぶん合わせればけっこう散財してしまうものなんですけども………。

 

それでも私が漫画を描き始めた小学生ぐらいの頃は、100均もそれほど充実していなかったから、ネームするのに使う方眼レポート用紙はショッピングセンターの中に入ってる文房具屋で60枚400円くらいのものを買っていた気がする。

小学生にはなかなかに痛い出費ではあったけれども、当時は「これは必要なものなの!!」なんて息巻いて買っていた。

ナイスファイト、当時の自分よ。

それを考えたら、今はなんでも100均で揃っちゃうよ!すごくない!!?

漫画家を目指す小中学生のみなさんは、ぜひとも ダイソー に行ってみてください。

 

漫画を描く、というとつけペン(丸ペンとかGペンとか)やインク、分厚い漫画用原稿用紙を思い浮かべるかもしれませんが(スクリーントーンとかも)、やはり基本はどこまでも紙と鉛筆(シャープペン)です。

ここをすっ飛ばして漫画っちゅーもんは描けません。

 

今はデジタル作画が隆盛で、漫画用のソフトも多機能なものがしかもなかなかな安価で出回っていますが、こういうものはあくまで基本を押さえたひとが、時間を短縮しつつクオリティの高いものを作るためのものですので、初心者が手を出せるものではありません。

 

基本とは、「きちんとした絵が描けること」と「しっかりしたお話が作れること」です。

 

で、その基本というやつは、紙と鉛筆だけでかなり高いレベルまで上げることができるんですよ。

 

絵を練習するのも、お話を作ってネームを描くのも、どこまでも紙と鉛筆の作業です。

絵がちゃんと描けるようになって、しっかりしたお話が描けるようになって、ようやくペンや原稿用紙に入れるのです。

もちろん絵が下手でも、話がちゃちくても、ペンを使って原稿用紙に描けばいいです。

そういうものを持つことによるドキドキやワクワクは素晴らしいですからね。

私もまだ基本の「き」もできていない頃から、そういう道具を子どもなりに買い求めては悦に入っておりましたとも。

でも結局、基本ができていなければそういう道具もちっとも使いこなすことができないし、たいして役にも立ちませんでした。

道具はあくまで道具でしかないってことですね。

 

このブログでは漫画を描くために役に立つ道具の紹介などもしていくつもりですが、そんな感じでやっぱり一番大事なのは紙と鉛筆です。「漫画を描く」という作業のたぶん9割以上は、原稿用紙に入る前の「紙と鉛筆」の段階がものを言います。

実際に漫画の原稿を描くことになれば、アナログ原稿なら圧倒的に原稿用紙に入ってからの作業の方がかかる時間は長いですが、実は「原稿用紙に漫画を描く」という作業は大きな氷山の一角。

それ以前にどれだけ「紙と鉛筆」というシンプルでいて最強の道具と戯れていたかが、本当に本当にとても大事なのです。

 

絵が下手だからいっぱい練習することも、面白い話を描くためにアイデアを練ったり実際にネームを起こしてみることも、すべて紙と鉛筆だけでできます。

特別な道具は何も必要ありません。

なんなら学校で使っているものでも全然オッケーです。

 

ただ、このシンプルな「紙と鉛筆」も、選ぶのにちょっとしたコツがあります。

 

まず基本は絵の練習をする…というか、好きなものをどんどん描いていく「らくがき帳」が必要ですよね。

これは小学生のとき、国語や算数のノートなんかと一緒に持たされていた「自由帳」と同じようなものだと思ってください。なんでも描いていける「なんでもノート」ですね。

絵は描けば描くほど上達するものなので、今のうちはとにかく、描きたいものを描いて描いて描きまくればそれで大丈夫です。

ノートの紙は罫(線)のあるものより、真っ白なもののほうが、線が絵の邪魔をしないのでいいと思います。もう少し上達して細かいバランスを気にしたりするようになれば、方眼も便利ですが、最初は無罫(無地・真っ白)で十分だと思います。

 

で、この「なんでもノート」ですが、大きさは、できればA4ぐらいのものを選んでください。

小中学生のみなさんが学校で使っているノートのほとんどはB5といってA4よりも一回り小さいものだと思うのですが、実はこのB5サイズは絵を描くにはちょっと小さいんですよね。

と、いうのが、実際に漫画を描こう、投稿しようと思ったら、使うことになる漫画用原稿用紙はB4といって、B5ノートの2倍の大きさのあるものなのです。

 

もちろんその全面に絵を描くわけではなく、周囲には雑誌になったときに切り落とすことになる余白があるのですが、それにしたって実際に絵を描く部分もA4サイズより大きいのです。

初めて漫画用原稿用紙に対峙したときは、まあたいていの人が「でか………(絶句)」なんて思うんじゃないでしょうか。

「ジャンプ」とか「りぼん」とかのたいていのメジャーな漫画雑誌はB5サイズ、つまり「自由帳」と同じ大きさですが、それは大きな紙に書いたものを縮小して載せているので、実際には仕上がりよりも大きく絵を描かなくてはなりません。

 

で、これがまた、B5サイズの紙に慣れているひとは、最初絵を大きく描くことにめちゃめちゃ苦労したりするわけです。

小さく描くことはわりと簡単ですが、普段描いている絵を大きく描くのは案外難しいです。B5サイズの紙に慣れていると、いざ実際に原稿用紙に描くときでも、ついふだん描き慣れているB5サイズくらいの感覚でちまちまと描いてしまいます。

そうなると画面が妙にごちゃごちゃしたり、メリハリのない地味な印象の画面になったりして、絵柄が綺麗でももったいないことになってしまいます。

 

また、ふだん描いている画面が小さいと、人物ならついつい描きやすいバストアップ(胸から上)の絵ばかり描いてしまいがちなので、人物の全身を描く練習がおろそかになりがちです。

A4サイズなら、それでも全身を描くのには小さいという気もしますが、ぎりぎり全身像の練習ができるサイズです。

それより大きいサイズになると、逆にそのへんの店では手に入れにくくなったり、値段が高くなったりするので、値段と大きさ、手に入れやすさのちょうどいいところがA4サイズというかんじでしょうか。

 

それと大事なことですが、「なんでもノート」はノートタイプを選んでください。

「ノートタイプ」とは、紙が背で閉じられてあって、簡単に切り離せないものです。

 

いやまあ綴じ方はどうでもいいんですが、よく「らくがき帳」として売られているレポート用紙みたいになっているものや、コピー用紙みたいに初めからばらばらになっているものは避けてください。

これらは一枚あたりの値段が安いので、どんどん描いていくにはいいんですが、簡単に切り離したりできるだけに、描いたものを残しておくことが難しくなります。

 

先も書きましたが、絵は描けば描くほど上達するので、紙の値段など気にせずにどんどん殴り描きできるものが一番です。

高価なスケッチブックとかはむしろダメです。なんの意味もありません。

いい道具を使ったからといって上達するわけではなくて、これに関していえば、本当に、たくさん描いたひとが上達するのです。だから、どんどん描いてください。

 

そう考えるとコピー用紙とか安くていいんですが、こういった紙は「あ、間違えた」とか「これ、なんか気に入らない」と思ったときに、ぱっと破ったりして簡単に捨ててしまえるんですね。

綺麗に描けたものだけを残したい、と思う気持ちはよくわかりますが、ここはぐっとこらえて、下手でもクソでも、描いたものは全て手元に残してください。

実はそれが、あなたにとってすごいお宝になります。

 

あなたが情熱を持って描き続ければ、絵はものすごいスピードで上達していきます。

そんな中、ふと、ちょっと前のノートを見返してみたら、どうなると思いますか?

 

おそらく上達したあなたは、うわあ、へったくそだなあ、と思うでしょう。

 

けど、それと同時に、

 

「今の自分の絵の悪い所がわかる」

 

のです。

 

これはほんとに不思議なことなのですが、本当です。

昔の絵を見て、今の絵の悪い所がわかるのです。

で、「あれ?私って、こういうところに変な癖があるのかも」とか、「ちょっと意識して直してみよう」とか、また絵が上達するきっかけになったりするんです。

不思議なんですけどね、ほんとです(二度目)。

 

だからね、下手でもクソでも、描いたものは全て残しておきましょう。

いやむしろ、下手でクソだからこそ、残しておく必要があるのですよ。

んでまた、絵だけじゃなくて、お話のアイデアとかでも、「こりゃ使えないな」とボツにしたようなものが、後になって名作に化けるとかいうことも往々にしてあるわけです。

あなたが描いてきたものは宝です。下手でもクソでもです。

そういった理由で、私は漫画家を目指しているひとたちにはノートタイプの「なんでもノート」をおすすめしています。A4で。

 

もちろん描くことに慣れてきたら、自分の好みが出てくるでしょうから、それはそれで自分の使いやすいものを(多少高価でも)選べばいいと思います。

でもとりあえず基本の「き」、紙と鉛筆で戯れるというまず最初のステージにあなたがいるならば、とりあえず ダイソー 行ってみたらどうじゃろか。

ほんと、よりどりみどりだから。